印象を着飾るスーツの選び方! ~歴史編~

スーツ

皆さんこんにちは!

新型コロナウイルス感染症の影響は未だ尾を引いており、今なお在宅勤務をする方も多くいらっしゃると思います。

在宅で仕事をしていて気になるのが出勤が再度始まった時の事ですね。

今は家の中にいるため、Web会議をしていても画面に映るのは上半身のみ。家の中でもスーツで過ごすよう指示がされている会社は少ないことでしょう。

そうとなると家の中ではビジネスカジュアルで過ごす人や、会議が終わり次第シャツを脱いでTシャツで過ごしている人も多くいらっしゃると思います。

しかし今の勤務体系も恐らくそう長くは続かないはず・・・。いずれはまたスーツで出勤する日が来ることは間違いありません

この記事を読まれている方の中には、「しばらくスーツを着ていないし新しスーツが欲しいな」とお考えの方もいらっしゃることでしょう。

そんな今こそスーツについて見直してみるいい機会です

スーツは社会人としての装いと同時に、見せたい自分のイメージを纏う役割も担います!

本稿では選ぶ前に基礎知識として、スーツの歴史の変遷を辿ります!

そして次回は基礎知識としてスーツのジャケットをパーツ毎の種類を細かく見て行きます。

その次ではスラックスと生地の選び方を。

最終回では、実践編として、自分が見られたいイメージに合わせたスーツの選び方をご紹介します!

歴史から見るスーツの形の変化

~20世紀初頭:スーツの原型”フロックコートスタイル”

リンカーン大統領の着用していたフロックコート

1900年代に入るまで、実はスーツらしいスーツという物は存在していませんでした。

当時の英国ではフロックコートという名の服装が、現在の礼服に当たるように位置づけされていました。

外側にはダブルボタン(ボタンが2列)の厚手のコート。内側には順にベスト、ネクタイ、シャツ、ズボン。

これらをセットで着るスタイルが、英国紳士の間の主流となっていました。

これは映画などでも時代を演出する上で表現されているのを確認できます。

ちなみにこの当時は、コートとズボンは特に同じ生地などでは無くとも良いとされていました。

当時最も格式高かった装いがセットアップでないというのは興味深いですね!

もしかすると、今の私たちのビジネスカジュアルの原型となっているのかもしれません。

~19世初頭:今尚残る紳士の最上級正装”モーニングコートスタイル”

映画”マイフェアレディ”より

格式高かったものの機能性に欠けていたフロックコートに代わり、台頭し始めたのがモーニングコートです。

モーニングコートは日本ではペンギンコートと呼ばれ親しまれる事が多く、すこし古めかしいイメージを持たれることも少なくありません。

しかしこのモーニングコートは今でも紳士の最上級の正装とされています。

日本で言えば黒五ツ紋付羽織袴に当たります。

モーニングコートは当時の貴族が馬から降りた後も、そのまま着替える事なく過ごすことの出来る正装を必要として生まれました。

モーニングコートはその前身を指して使われる事が多いですが、実はその上着部分のみを指します。

このモーニングコートと同格として並び扱われる装いにタキシード、燕尾服があります。

これらの使い分けは時間帯とネクタイの色になります。

~pm18:モーニングコート

モーニングコートはもっとも一般的な最上位の正装ですが、着る時間帯としては夕刻頃までとなっています。

夕方まで着られますが、これはモーニング(から過ごす)コートと言う意味ですね。

pm18~:タキシード(ブラックネクタイ)

英語”007スカイフォール”より

夜間の式典においてはしばしばその服装を指定されるものですが、その際に”ブラックネクタイ着用“とあればタキシードの事を指します。

夕刻以降の結婚式や、オペラや歌劇などの文化鑑賞、こうした場に着ていく服装も本来はタキシードが望ましいですね。

タキシードは特徴的なシャツと蝶ネクタイの印象が強いですね。

モーニングコートと同時期に発出した正装ではありますが、こちらはモーニングコートとは見た目が少し変わっています。

これは、上述の通りモーニングコートが乗馬後も継続して着るものだったのに対し、

タキシードは夜間の予定に合わせてしっかりと着替えて準備をしてきた、という事を示す為に大きく形が変わっています。

pm18~:燕尾服(ホワイトネクタイ)

映画”オーケストラ!”より

燕尾服はタキシードと同じ用途であったものの、招待状に書かれている服装指定が、”ホワイトネクタイ着用“となっている場合に着る服装となっています。

しかし燕尾服は現在、タキシードと比べると指定される機会はほとんどなく、オーケストラの指揮者や社交ダンス会等でしか目にする機会はありません。

私たちの目に最も映る機会が多いのは授賞式です。

ホワイトネクタイを指定されるということは、

「今回の式典で勲章授与を行うので、見合った格好をしてくる様に」

という意味であり、暗に晴れ舞台であることを教えてくれているわけです。

自分に届いた大きな式典への招待状に「ホワイトネクタイ着用でご来場下さい」と書かれている、これ以上名誉な知らせはないですね!

1920頃:スーツの原型

映画”華麗なるギャッツビー”より

モーニングコートなどの正装とは違い、働く英国人の為に生み出された最も初期のスーツは今のスーツとは大きく異なりくびれも弱く、どちらかと言えば身体の曲線に合わせることを重視していませんでした。

また、当時はボタンは縦2段でしたが、今のスーツと異なりボタンの位置が高かった為にシワになりづらい事から、上下共に留めるものでした。

今のスーツを2点留めするとその見た目はかなり印象が悪くなりますが、当時のスーツは2点留めすることでキマるスーツだったのですね。

1930頃:直線的な美しさのスーツ

映画”カフェ・ソサイエティ”より

それまでの正装をビジネス目的へと作り替えただけのそれまでのスーツは、登場して間も無く機能面での改革を求められました。

肩にパッドを入れることで重さから来るストレスを軽減し、体の可動域に合わせた動きやすさを追求しました。

そうしてこの時期からスーツのシルエットは、私たちのイメージするスーツに大きく近づきました。

また、この頃はピークド(襟の下段が上向き)が流行ったりと、見た目も大きく意識したデザインが作られる様になりました。

1940頃:戦争の中、男を強く見せるスーツ

映画”ザ スティング”より

1940年代は激動の時代でした。

軍服で戦地に赴かないホワイトカラーの紳士達も、自身らの装いに屈強さを求めるようになりました。

肩周りは大きく膨らみ怒り肩のように見え、背面からのシルエットは逆三角形のように、男らしく幅のあるようなスーツが流行しました。

1960頃:スタイリッシュな細めのスーツ

映画”007 ゴールドフィンガー”より

60年頃には戦後の安定志向が現れています。大きく見せたり派手な物は好まれず、体に合わせたスタイリッシュな細めのスーツが登場しました。

しかし現代の様なメリハリの強いスリムフィットと言ったイメージではなく、絞りなどの薄い細長い印象を与えるスーツでした。

特に現代は胸元が広かったり襟部分が細かったりと、スーツ自体の印象を少し薄めた様なデザインのシルエットが多いです。

この頃のスーツはそうではなく、あくまで主体はスーツでした。

その上でシングルの三つボタンにすることで視線を縦に誘導したり、胸元を狭くして靴(足元)までのアクセントカラーの距離を離すことで、垂直方向に長く見える様工夫がなされました。

1970頃:個性を前面に押し出すスーツ

映画”俺たちニュースキャスター”より

戦争の余韻も薄れ、新時代の幕開けに皆が華やかさを求めた70年頃。この頃のスーツはとにかく印象的なスーツで、メリハリに重きを置いたアイデンティティの演出を求められました。

ビートルズのスーツは60年代と70年代の間の雰囲気をよく表していますね。

洋ロックバンドBeatlesの”Abbey Road(1966)より

広めの肩から腰にかけてタイトに締め、そこからまた裾にかけて広げ、膝にかけて絞り、またパンツの裾にかけて広げる。砂時計を縦に二つ置いた様なシルエットが特徴的です。

襟元も腰の方から首回りにかけて大きく広げ、さらには生地も派手な色や柄をあしらったものが好まれました。

21世紀~:他アイテムも目立たせるトータルコーデのスーツ

70年代頃から流行り始めた主張の強いスーツは徐々に影を潜め始め、次第にスーツは個性を薄める方向へとシフトチェンジしていきました。

映画”摩天楼はバラ色に(1987)”より
映画”ライアーライアー(1997)”より

しかし大量生産大量消費の時代到来に伴い、スーツとは逆にシャツやネクタイ、時計に靴といったアイテムの幅が広がり、トータルのコーディネートで個性を演出する時代へと変化しました。

映画”オーシャンズ13(2007)”より
映画”キングスマン(2014)”より

また、スーツはその主張を薄めるだけでなく、IT時代の到来に合わせたスタイリッシュな生活様式が広がった影響で、そのシルエットにもスタイリッシュさが求められました。

60年代の細身なシルエットをベースとし、70年代のメリハリを加えた現代のスリムフィットなデザインのスーツが到来しました。

まとめ

このようにスーツはその当時の生活様式や時代背景に合わせ、歴史の中で大きくその形を変えてきました。

映画などでスーツを見るだけで、その作品の時代がおおよそ特定できるのがその証ですね!

もちろん現代においても過去に流行したデザインのスーツを選ぶことは、自身の表現としては良い手段ですね。

次回はスーツのパーツ毎のデザインを紹介していきます!

それでは!

コメント

  1. […] 前回は、スーツが歴史の中でどのように変化してきたかを紹介しました。 […]

  2. […] 1回目は歴史の変遷に合わせてスーツにどの様なデザインが求められたかを、 […]

タイトルとURLをコピーしました